ひとりごとのつまったかみぶくろ


新しい障害福祉サービスを拓く



 私がかつて保健所に勤務していた時に行っていた電話相談や家庭訪問活動をとおして、家の中で密かに生活している障害者の方々が多くおられることを知りました。そのような方々の社会復帰または社会参加の支援と銘打って、保健所の事業、また市町村や民間各種団体が開設するイベントやデイサービス、サロン等の取り組みを案内し、誘う活動をしてきました。

 でも、家族の人が本人に外出を勧めても出られない、手を変え品を変え誘ってもどうしても家から一歩出られない、そのような人が何と多いことか。自分が障害者であることの負い目から、また引きこもりの生活を長く続けたことにより、人との交わりを避け、社会への関心が薄れ、人間らしい生活をしたいという意欲や希望も失ってしまった、そのような方々が街中に多くおられることを知りました。

 連れ出すことができなければ、こちらから出張してそれを届ければよいではないか、と発想を転換し、トランプや双六、将棋等の室内ゲーム、折り紙や手芸用品、本、スポーツ用品等を持ち込んで関係作りを図りました。おしゃべりを皮切りに、部屋の中で一緒に遊び、本の読み聞かせ、時勢の議論等をし、更には一緒にお部屋の掃除、一緒に散歩、公園でバドミントンをしたりして徐々に生活の範囲を拡げていきました。

 そのような訪問活動を繰り返して、ゆっくりではありましたが、地域の諸活動に参加してくれる人が現れるようになっていきました。

 このプロセスは、まだ人々の広い認知には至っていませんが、障害者の社会参加を進める上での大きなニーズであると確信しています。これを障害福祉の一サービスメニューとして確立させられたら、なんと素晴らしいことではないでしょうか。

 そういう私は定年退職を迎える身となり、私の第二の人生の新しい仕事として、このサービスを、訪問看護ステーションやACT等のアウトリーチ型事業の中で展開する手立てはないかと考えましたが、どう工夫を凝らしても経営が成り立ちません。そうであれば、ボランティア活動として始めてしまえ、という意気込みでやり始めました。今はその活動を、ボランティアとして細々と続けています。(2016.10.18)


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